ちょっとひと息つきたい時にコーヒーを一杯。
その一杯を飲んだことで、心が穏やかになる感覚。
恐らく、コーヒー好きなら誰もがこの感覚を味わったことがあるでしょう。
そんな時は本でも片手にリラックスするのもオススメ。
当然、小難しくてネガティブなことが書かれた本よりも簡単で心が前向きになれるような本を読みたいものです。
そんなコーヒー好きのために人気コーヒーショップ・アアルトコーヒーの庄野雄治が手がけた本『誰もいない場所を探している』がオススメです。
目次
『誰もいない場所を探している』とは
内容紹介
何の経験もないまま徳島でコーヒー屋を始めたアアルトコーヒー・庄野雄治。夢も希望もなかった男が、楽しく幸せに暮らしていくために実践した37のアイデア。
著者
庄野/雄治
コーヒー焙煎人。1969年徳島県生まれ。大学卒業後、旅行会社に勤務。2004年に5キロの焙煎機を購入しコーヒーの焙煎を始める。2006年徳島市内に「aalto coffee(アアルトコーヒー)」を、2014年同じく徳島市内に「14g」を開店。
引用:同上
本の構成と対象読者
この本は人気コーヒー焙煎人の庄野雄治氏により37のアイデア集。
一つひとつのアイディアは短い2~3ページほどのエッセイのような形で語られていく。
内容は美味しいコーヒーの入れ 方や美味しいコーヒーが紹介されるわけではありません。
アアルトコーヒーが成功するにいたった具体的な方法や起業家マインドなどが紹介されるわけでもありません。
筆者がこれまで生きてきた中で感じたこと、凡人の考えてきたことを書き綴った本です。
凡人には凡人の生き方がある。
一流でも二流でも三流でもない、普通の人が地方でお店を続けていくために本当に必要なこと。
本の中身は文字だけではなく、イラストがふんだんに盛り込まれています。
このアートワークを手がけた大塚いちおさんの柔らかいタッチがこの本をまるで絵本のような優しい雰囲気を作り出しています。
短編集、エッセイ集、絵本、ビジネス新書、それらどれにもピタリと当てはまりませんが、全ての要素を兼ね備えた不思議な本です。
ちょっとひと息つきたい時に読み返したくなるアイディア集
前述したとおりこの本は何かに向けての対策や方法を教えてくれるものではありません。
ただ、逆にテスト勉強のように暗記や理解をする必要がない分、自分の好きなように読んで解釈することが出来ます。
筆者はコーヒー焙煎人であり、コーヒーショップの経営者。
しかし、ここで紹介されたアイディアはコーヒー好きでない、経営者でもない人にも欠かせない生き方のヒントがあります。
また、何かに追われて心が疲れていたり、自分を見失いかけた人などの心を安らかにしてくれるだろうと思うものばかりです。
それは筆者の人柄が伝わってくるような柔らかい語り口が心を穏やかにさせてくれるから。
そのいくつかをこれから紹介していきます。
全力でやらなきゃと思ったことは向いていない
もっと危険なのが、目標達成のためだけに全力を傾けてしまうこと。
全力でやらなきゃと思った時点で、それは自分に向いていないんだ。
「(中略)」
やるなと言われても全力でやり続けてしまっていることを仕事にできたら、それが一番いい。
私は最近ホテルハウスキーピングを辞めて、ブログに専念することにしました。
お金を稼ぐためなら続けてもよかったのですが、お金を貯めるという目標達成だけのために働いている自分がいたことに危機感を感じたからです。
実際、その仕事をしているときは肉体的にも精神的にも疲れていました。
やらなきゃいけないというある種の強迫観念のようなものにつき動かされていました。
その逆にブログは毎日何時間でも続けられるくらい好きです。
周りからはもっと遊べばと言われるのですが、今の私はブログをやっているのが一番楽しいですし、何より全力でやり続けられます。
まだまだ先行きは不透明ですが、とにかく今やりたいと思うことに注力したいとこの本を読んで思えました。
安心できる見た目も大切
長く続けるためには安心できる見た目も大切だ。
「(中略)」
きれいな外見は自分のためではない。
お客さんに気持ちよく過ごしてもらうためのものだ。
最近ブログのカスタマイズにハマっているのですが、あれやこれやと色々追加しています。
ブログをやっている方ならわかると思うのですが、一度カスタマイズを始めると様々なことをやりたくなります。
しかし、たまにそれが自己満足になってしまう瞬間があります。
たま~に、自分のブログの見え方が気になってスマホからチェックするんですがクッソ重くてイライラします。誰がこんなクソ重いブログ見るかヴォケ!!!って気持ちでいっつも離脱してますwww
はてなブログが尋常じゃないくらい重かったのでとりあえずアーカイブ化してみた - もえろぐ
私もよく自分のブログをスマホからチェックしてイライラすることがあります。
自分のブログに対して自分がイライラするくらいですから、読者の方はもっとイライラするはずです。
見た目・ブログの重さなども含めて、自分のためではなく、読者のためになるブログ作りをしていく必要があると感じました。
頂上まで登らない
一番にならなければならないという考えは、強い敵を倒すとさらに強い敵が現れ、修行して倒すとなお一層強い敵が登場する長期連載の少年漫画のような、終わりのない循環に入ってしまう可能性がある。
私は目標を達成した時、新たな目標をすぐに掲げるようにしています。
それ自体は今度も自分を成長させるために必要なことだと思います。
しかし、同時にその終わりのない欲求は人を窮屈にしてしまいます。
上を見ればきりがない。
でも、上ばかりを見ていると足元をすくわれる可能性があります。
まずは目の前のことをコツコツこなしていく。
30万だ、100万PVなどという高い目標は目指していくうちに終わりのないゴールを目指さぬよう、心の折り合いのつけ所を持っておかなければと思い知らせれました。
自分がいいと思って始めたものを信じてみよう
人に伝わるには時間がかかるんだ。
いつも来てくれているお客さんを大切にしていれば、その方たちが必ずいいお客さんを連れてきてくれる。
時と手間を費やして得た信頼があれば、そう簡単に見捨てられることはない。
私は折に触れて見返す記事があります。
この記事、PV数だけでみれば月に10程度と本当に少ない数です。
しかし、はてなスターの数は今なお私の230を超える記事の中で一番なのです。
全ての方からコメントをもらったわけではありませんが、このスターが表す意味は私への声援だと勝手に解釈しています。
この時にスターを頂いた方々のほとんどは今もなお、継続的にブログを訪問してくれています。
当時の2倍以上のPVを集めるようになった今もこの時の感謝を忘れることはありません。
まだまだ開始から4ヶ月程度のブログですが、この気持ちを忘れず、長く信頼されるブログを作っていきます。
自分が目指すもの
私が目指しているのはJ・Dサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて。
「(中略)」
ことあるごとに何度も読み返す熱心な読者がたくさんいる。
私はこの作品のように、常に新しいお客さんがやって来て、そしてずっと愛し続けてもらえるコーヒーが作りたいんだ。
最近ずっと考えているのが、「このブログを通して私は何を伝えたいのか」ということです。
そんなことは始める前から決めておくべきことなのですが、正直ブレブレです。
さんのブログを見て一番思うのは、ブログを通してなにを伝えたいのかが見えてこないことです。
月間35万PVしか稼げていないポジ熊さん!無職のうさぎたんが無料でアドバイスします! - 30歳からの敗者復活戦
専門ブログであれば、「TOEICの攻略方法を成人した日本人にもわかりやすく伝える!」のようなターゲットと目標を明確に打ち出しやすいでしょう。
対して、雑記ブログは色んなことに手を出せる反面、ターゲットと目標がブレやすいくもあります。
もちろん様々なことに手を出して良いのですが、その軸には何があるのかというのも非常に大事になります。
例えば、有名どころでいうと、やぎろぐのやぎぺーこと八木仁平さん。
彼は学生時代に体験したことをきっかけに自分の生き方を決めました。
大学時代にミニストップのバイトを2ヶ月でクビになったのがきっかけで、好きなことしかやらないと決意しました。
恐らく彼のブログを見ている人の多くは彼の生き方に惹かれてファンになっているではないでしょうか。
ブログ運営術、お金の話、ファッションなど様々な面白いコンテンツを提供されていますが、その根底にあるのは好きなことしかやらずに生きていく生き様。
そこにファンの方は魅力を感じているのでしょう。
では、私はどうか。
プロフィールには「人はいつか死ぬんだからそれまで色々やってみよう」という信条を掲げていますが、果たして実践できているか。
なぜそう思うように至ったのか。
その根底の部分が見えてこないとブログの魅力は高まりません。
自分はこのブログをどうしていきたいのか、読者の方に何を感じて欲しいのか。
そのことをもっと自分で落とし込んでいく必要があると私は危機感を覚えました。
好きなものを全力で好きと言いたい
点数をつけるのも、つけられるのも苦手だ。
いや、苦手というよりは嫌いだ。
「(中略)」
コーヒーの生豆も点数をつけられるが、美味しいコーヒーを作ろうと懸命に働いている生産者のことを思うと、胸が痛い。
彼らは高得点を競うゲームをしているのではない。
「(中略)」
比べられるのは嫌なのに、自分以外のことなら平気で点数や順位をつけてしまう。
だからこそ、そうならないように強く意識する。
優劣をつけるのではなく、自分が好きなものを、全力で好きだと言い続ける。
それだけで十分なんだ。
これが最も私の心に突き刺さりました。
ここ2週間はクレヨンしんちゃんの劇場版について記事を書いています。
元々は自分の好きな作品をもっと知って欲しいというのが出発点でした。
しかし、中にはそこまで思い入れがないものや正直あまり好きではないものもあります。
それらを点数づけする行為に自分の中で疑問を抱くようになりました。
好きなものを紹介するならまだしも、そうでないものまで紹介する行為に意味があるのだろうか。
もし、自分のブログの全記事を面白くないランキング付けられたらどうだろうか。
自分がされて嫌なことをすることに意味があるのか。
ましてや私は仕事や義務でやっているわけではないのに。
単純に自分が楽しいと思う、人には共有したいことを記事にしていくことが自分にとっても、読者にとっても良いのではないか。
今後の自分が何を届けていきたいのか含めて、考える必要があると気づかされました。
まとめ
知識や情報を蓄えていくことは非常に大切なことです。
しかし、そればかりをしていては心が窮屈になって爆発してしまう可能性があります。
なので、たまにはコーヒーを淹れてひと息ついてみるのも大切です。
そんな時に生き方のヒントを与えてくれる 『誰もいない場所を探している』を読まれてはいかがでしょうか。
それでは、さようなら!