巨人が連敗を11連敗を喫し、75年に記録した球団ワーストの連敗記録に並んだ。
セリーグ優勝候補巨人を迎え撃ったライオンズ。
なぜ巨人は10連敗するに至ってしまったのか。
今の西武は球界のエース菅野投手を攻略することができるのか。
優勝を目指す上で、負けるわけにはいかな両チームの戦いについて雑感を語っていく。
なお、試合が始まる前、途中、終了後のそれぞれの感想を書いている。
いかに私の野球を見る目があるのか、ないのかも含めて楽しんでもらえると幸い。
目次
両チームのスターティングオーダー ようやくFA戦士・陽岱鋼が1軍登録
【巨人スタメン】
1(中)陽
2(右)橋本到
3(遊)坂本勇
4(三)マギー
5(一)村田
6(指)阿部
7(左)石川
8(二)クルーズ
9(捕)小林
▽投・菅野=右
【西武スタメン】
1(右)金子侑
2(遊)源田
3(中)秋山
4(二)浅村
5(三)中村
6(指)栗山
7(一)メヒア
8(左)外崎
9(捕)炭谷
▽投・野上=右
巨人は今季FAで新加入した陽岱鋼が1軍登録・初スタメン。
陽選手は日本ハム時代から西武先発野上投手を得意にしており、対戦成績は47打数17安打、打率3割6分2厘、1本塁打。
不振のチームの起爆剤としての活躍が期待される。
エース菅野投手で是が非でも連敗ストップを狙う。
対する西武は前カードから採用した1番金子、3番秋山、4番浅村、5番中村の打順をDH有りの試合で採用。
球界を代表する投手・菅野選手にどれだけ通用するのかチーム力が試される。
巨人打線を見た感想
セ・リーグポジション別攻撃力 6.4時点
— DELTAGRAPHS (@Deltagraphs) 2017年6月4日
広島は三塁以外のポジションで圧倒的攻撃力。新戦力・バティスタの2本塁打で代打の得点も+6.0と他球団と差をつけている。読売は二塁、中堅、右翼で合計41.0得点のマイナス。ヤクルト・山田はこの不調の中でも二塁手としては平均以上の攻撃力だ。 pic.twitter.com/dZfHiKXiYD
他のセ・リーグチームと比べて、マギー選手の三塁、坂本勇人選手の遊撃手以外は弱点になっている巨人。
個の能力もさる事ながら、チーム編成の歪さを感じずにはいられない。
右打者編重と役割不明確。
私が巨人打線を見て最初に感じたのがその二つだ。
これらの打線に共通するのは左右のバランスと役割分担の明確化。
塁にでる、繋ぐ、返す、下位で伸び伸びと打つ、守備重視の人。
それらの役割がチーム、打線の中で非常に明確になっている。
話題になった楽天の強打の2番ペゲーロ選手に関しても首脳陣が起用意図を選手本人、チームに明確にしているため、機能している。
対して、巨人はどうだろうか。
残念ながら巨人の選手、打線を見て、それらが明確になっているようには感じられない。
その象徴的な選手が長野・石川の2選手。
長野選手の適正打順は何番か。
恐らくこの問いに誰もが納得する答えをもった人はいないだろう。
1番打者でチャンスメイク、3番でランナーを返す、6番で自由に打たせる。
そのどれもこなせる力がある一方、どれが最も適切な役割なのか見いだせていないように感じる。
首位打者を獲得した年の勝負強さ、最多安打を獲得した出塁力、7年連続二桁本塁打のパンチ力。
様々な攻撃スキルを持ち合わせている分、チーム状態によって様々な役割を与えやすい選手。
ただ、その反動からか自分の持ち味を失っている選手のように見える。
2017年は1番で9試合、6番で21試合、7番で9試合、8番で1試合出場。
本人の状態が上がってこないことも原因だが、これまで長野選手に明確な役割分担を与えてこなかったことも長野選手の低迷につながっているのではないだろうか。
同様のことが今期日本ハムから加入した石川慎吾選手にも言える。
ここまでの46試合に出場して、打率.273、本塁打3、OPS.739と合格点の成績を残している。
当初は代打や下位打線での起用が多かったが、チャンスを残すにつれ、上位でも起用されている。
1番3試合、2番3試合、5番1試合、6番19試合、7番11試合出場。
豪快なスイングを活かして下位打線で伸び伸び打たせたいのか、上位打線でチャンスメイクを期待したいのか、対左打率.381を活かして左キラーになって欲しいのか。
今後石川選手にどんな選手になって欲しいのか、少なくともこれまでの起用傾向を見るに見えてこない。
そして、この石川、長野選手は共に右打ちの外野手でフリースインガータイプ。
そう、今回1軍登録となった陽選手と 同じタイプの選手なのだ。
同タイプの選手が外野3ポジションを占めるという歪な構成になっている。
本来であれば立岡、橋本、重信らの左の俊足巧打タイプの選手と組み合わせて起用したいところがそれらの選手が不振でそうもいかない。
他の選手を見ても村田、クルーズ、小林とフリースインガータイプの右打ちの選手が目立つ。
阪神やソフトバンクなどが近年重要な指標として注目を集める出塁率を重視して選手を起用、獲得、育成しているのとは対照的なチーム構成になっている。
果たして巨人の編成はどんな目的、意図を持って選手を構成しているのか。
先週対戦した広島、普段パ・リーグで戦うソフトバンク、楽天と比べるとやりやすい相手という印象を抱いた。
やや窮屈に感じた完璧主義者エース菅野が見せた相手を牛耳る投球
久々に1試合通した投球を見たが、さすが日本を代表するエースだなと感じた。
コンスタントに150キロを越える直球。キレのあるスライダー、カットボールを中心にコーナーを突いた投球。
紛れもなく現在球界を代表する投手だ。
また一段と凄みを増した印象がある。
3試合連続完封出来るのもうなずける。
ただ、一つ気になったのはやや投球が窮屈過ぎやしないかということだ。
ほぼ全ての打者に対して四隅を狙っているように感じ、常に完封を狙っているように感じた。
時折、下位打線相手に厳しいコースでボールが続き、球数を要していることがあった。
正直菅野投手ほどの球威があればそうそう打たれない。
ましてや下位打線なら尚更。
せっかく球威があるのだからもっと相手を見下すくらいの投球をしてはどうだろうか。
もちろんチームが連敗中、打線の不振などで簡単に点を与えられないのも影響している。
ただ、もっと気楽に投げても十分抑えられるのではと思わされた。
そんな菅野投手を見ているとかつての西武のエース涌井投手を思い出した。
涌井投手も若い頃、完璧を追い求めるあまり、コーナーを狙い過ぎてカウントを悪くして痛打されるシーンが目立った。
球数もかさみ、終盤に球威が落ちて痛い失点をするケースが目立った。
私にはかつての涌井投手と菅野投手が多少ダブって見えてしまった。
なまじ二人ともコーナーを狙う制球力があり、エースとして高い意識があったためにこういう窮屈なピッチングになることがある。
ただ、あの頃の涌井投手と菅野投手では球威に差がある。
菅野投手には打者を圧倒する球威があるのだから、そこまでコースを狙う必要はないだろう。
もっと大胆に攻めても十分抑えられる力があるのにもったいない。
試合結果・感想
試合は8-5で西武が勝利。
巨人は5回までに5-2とリードし、試合を有利に進めたもののエース菅野投手が6回に捕まり同点。
7回に勝ち越しを許し、そのまま万事休す。
75年の11連敗に並ぶ球団ワースト記録となった。
登録された陽が即先制タイムリー。
1軍登録後12打席無安打だったクルーズにも2安打と1犠飛が飛び出した。
弱点となっていたセカントとセンターの選手が結果を残し、巨人にとっては明るい兆候が見えた。
ただ、皮肉なことにクルーズを起用するために下げたカミネロを欠いたリリーフ陣が逆転を許してしまった。
岡本投手は今期初登板。
吉川投手もここまで4試合に投げて勝ち星なし。
両投手の出来によって試合展開が左右されるだろう。
西武で印象に残った点
ここまで主に巨人について書いてきたのですが、少しだけ西武についてもコメントする。
まず今日はチーム全体で菅野投手を攻略するという気概が見えたのが大きい。
菅野投手に6回までに125球を投じさせ、9安打を浴びせた。
また3四球を選び、三振はわずか4。
どんなに素晴らしい投手でもチームでかかれば攻略出来る。
今後優勝争いをする上で、楽天則本、美馬、岸、ソフトバンク千賀、武田、東浜、バンデンハークらの好投手を攻略しなければならない。
そういった時に今日のような攻め方をすれば必ず攻略することが出来る。
そのことを実践できたことは個人はもちろんチームとして自信に繋がるだろう。
特に外崎、炭谷の粘りは賞賛に値するものだった。
下位打線の二人があれだけ粘りを見せれば、投手はかなりキツイ。
また、菅野投手降板後の勝ち越し点を奪った7回は秋山、中村、栗山、メヒアが四球を選んでもぎ取った。
下位打線だけではなく、中軸の主力も粘りを見せられたのは非常に大きかった。
また一つチームとしての力が高まったことを感じさせてくれる今年のベストゲーム候補に上がる好ゲームだった。
まとめ
明日負ければ、巨人は球団ワースト記録更新の12連敗。
球界の盟主としての威信をかけた戦い一戦となる。
新加入選手に一本が出るなど、明るい兆しが見えてはいる。
あとはかつて原監督から巨人の枢軸と言われた坂本、阿部、村田、長野らの主力の奮起が待たれるところ。
ここ5試合は接戦が続いているため、いつ勝利がついてもおかしくない展開。
優勝候補巨人の反撃に期待したい。
(もちろん私は西武ファンなのでライオンズを応援するが)
それでは、さようなら!
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